05_相談先を選ぶ

05_相談先を選ぶ|雨漏り修理を依頼する前に知っておきたいこと

furuhiro

建てた会社?それとも専門業者?迷ったときの判断基準

突然の雨漏り。そんなとき、慌てて業者を検索する前に、まずは以下のフローチャートで流れを押さえておくと安心です。

まずは「建てた会社」に相談を

最初に確認すべきは「どこで家を建てた(または購入した)か」です。
以下の関係者が分かっている場合は、まずはそこへ相談しましょう。
  • ハウスメーカー
  • 施工会社(工務店、建設会社、ゼネコンなど)
  • 設計事務所(一級建築士など)
  • 不動産屋(仲介・販売)

建てた会社が良い理由

  • 図面・仕様を把握しているため、原因特定がスムーズ
  • 工事記録から原因を追える
  • 瑕疵担保保険などで補償対象になる場合がある
  • 自社施工なら責任を持って対応してくれる可能性が高い
設計事務所や不動産会社は、直接修理はできませんが、施工会社と連携してサポートしてくれるケースが多いです。

中古住宅の場合

元の施工会社や設計事務所などが分かれば連絡をしてみましょう。ただし所有者が変わっていると瑕疵担保保険は使えないケースが大半です。

相談時に伝えるべきポイント

  • スマホで撮った雨漏り状況の写真・動画を共有
  • 「雨漏り診断」を依頼し、原因特定を行ってもらう
  • 主な調査方法:散水試験・赤外線カメラ・ドローンなど

建てた会社に頼れない場合

以下のケースでは、自分で業者を探す必要があります。
  • 施工会社が倒産/連絡が取れない
  • 過去対応に不満がある
  • 中古住宅で元施工会社が不明
  • 修理しても再発している

どの業者を選べばいいか

探すのは、雨漏りの「診断」と「工事」をできる業者です。

・ 業者の選び方|診断編

雨漏り修理を成功させるには、まず原因を特定する「診断」が必須です。理由は、原因を特定しないまま修理をすると、時間も費用も二重にかかるリスクが高いからです。
診断業者は大きく2タイプあります。
A. 第三者的専門業者(診断のみ)
  • 診断に特化し中立的に判断
  • 報告書をもとに他社に工事を依頼できる
  • 診断費は数万円〜数十万円
B. 雨漏り専門業者(診断+工事)
  • 診断から工事までワンストップで対応
  • 診断費が実質無料になるケースも多い
  • 客観性重視  → A がおすすめ
  • スピード重視 → B がおすすめ
ただし、現実的には「A: 第三者的専門家(診断のみ)」は業者の数が非常に少数で、多くの場合は「B: 雨漏り専門業者(診断+工事)」を活用する形が一般的です。

「A: 第三者的専門家(診断のみ)」を希望する場合は、まずはお住まいの地域で対応可能な専門家がいるかどうか、インターネットで検索するか、雨漏り診断士協会などの専門団体の会員名簿から探してみましょう。

すぐに見つからない場合は、「B: 雨漏り専門業者(診断+工事)」に「診断と工事の見積を分けてもらえないか」相談してみるのも一つの方法です。見積が分かれていれば、診断内容をもとに他社に工事を依頼することもできるため、選択の幅が広がります。

業者の選び方|工事編

修理を頼む施工業者は「新築専門」ではなく「リフォーム専門」のような、既存建物を修理する(できる)業者になります。「リフォーム専門」にも得意分野・専門分野があるため、以下にタイプ別の表にまとめました。
雨漏り専門会社がおすすめな理由
  • 原因特定から補修まで対応でき、経験豊富
  • 雨漏りは構造的な問題を含むことが多く、専門知識が必要
  • 診断で原因が特定できている場合、ピンポイントで外装・屋根専門会社などを選ぶと費用を抑えられるケースもある

まとめ

  1. まずは「建てた会社」に連絡
  2. 頼れない場合は「第三者的専門家(診断のみ)」や「雨漏り専門業者(診断+工事)」に相談
  3. 「第三者的専門家(診断のみ)」を選択した場合は、診断後の結果をもとに原因に合わせた適切な業者に修理を依頼
「建てた会社」で修理をする際は、忘れずに“雨漏り診断”を依頼しましょう。「建てた会社」は過去の経験をもとに雨漏り箇所を判断することが多く、その経験則が必ずしも正しいとは限らず、原因を見誤ることがあります。

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